ゼミ合宿

行ってきました。

9/10~12の2泊3日、場所はなんと沖縄です。

 

行き先はもちろん、やることまですべて学生が決め、先生はそれに乗っかってくるだけという自由度の高さです。

先輩の中に「沖縄の基地問題についてやりたい」という人がいたので、特に意見のない烏合の衆はただただついていくだけとなりました。

タイムスケジュールとしては、

1日目…卒論の概要について4年生から発表。

2日目…フィールドワーク、辺野古への基地移転について地元団体の代表とディスカッション。

3日目…自由(実質解散)

 

という感じでした。

 

 

いや、卒論発表は大学でやれよ。

 

 

ものすごく思ったのですが、そこについて文句を言うことは許されていないので泣き寝入りするしかありません。

 

ついでに言うと、我がゼミは陰キャラしかいない勉強熱心な人々の集まりなので、ビーチや首里城といったいわゆる「沖縄」に行くのは自由行動の時のみ。

素晴らしいですね。

 

まぁ。その分見分を広げる機会としては非常に貴重なものでした。

 

「道の駅かでな」から嘉手納基地を見たのですが、展望デッキから滑走路がとてもよく見え、観光スポット化していました。

実際に、嘉手納基地に対する反対運動は(例えば普天間飛行場と比較して)それほど激しくないとのことでした。

極東最大の米軍基地であるということもあり、割と受け入れムードにあるそうです。

観光への影響とかも大きそうだし、まぁそうかなって感じでした。

 

一方、最大の問題なのが普天間基地(飛行場)。

住宅街のすぐそばで、あれだけの戦闘機が配備されている状況はさすがに異常であると感じました。

 

そして、共通の輪読書として『普天間辺野古 歪められた二〇年』を読んで、移設に賛成/反対に分かれてのディスカッション。

 

普天間・辺野古 歪められた二〇年 (集英社新書 831A)

普天間・辺野古 歪められた二〇年 (集英社新書 831A)

 

なぜこの問題がこんなにこじれているのか、経緯と種々の意見についてまとめられた著作。

関係者の多さと事実関係の複雑さから多少読みにくくはありましたが、それでも歴史的経緯を網羅するには良い本でした。

移設賛成派の論理としては、

・県外に候補地を探すことの現実性がない

・沖縄の戦略的重要性

反対派の論理としては

・基地負担が沖縄だけ過剰

・治安、事故、公害の危険性

 

という点が主な主張となりました。

 

その後、「辺野古県民投票の会」の代表をお招きしてお話を聞きつつ質疑応答の時間を設けていただきました。

会の趣旨は、県民の意思表示をする場を設けることにあり、辺野古移設についての賛否も県民投票を通して表明したいという点にあるとのことでした。

県民投票を実現するための署名も10万筆近く集まり、近く 条例案として提出するそうです。

代表の方が言っていたことで印象深かったのは、

・沖縄だけが差別的に基地を押し付けられているということに気付いてほしい

・日本全体で議論していかないと真の解決には至らない、日米関係のあり方の見直しも含めて広く議論するべき

・受け入れ容認する自治体や住民運動もある、切り捨てないで探していくべき

 

といったことでした。

 

僕自身は辺野古移設もやむなし(他に代替案がないのであれば)と考えていましたが、受け入れを容認する団体の存在や沖縄での様々な意見の存在については初めて知りましたし、

そもそも現在の日米関係を変更不可能な関係として認識していること自体が沖縄の人々の不満になっているのだと感じました。「差別的」という表現は刺さりましたが、たしかにそうかもしれません。

 

ただ、やはり現実を見ると沖縄以外の解決策は実現性に欠けるのではないか?という思いが拭えません。

米軍が極東ににらみを利かせる絶好の立地を放棄して、わざわざ県外移設を容認するでしょうか?

あるいは、日本政府が交渉でそうした方向に持っていけるでしょうか?

どうもそんな気がしないのです。

 

ただ、世論を無視し続けるわけにもいかないでしょうから、声を上げ、広く国の問題として認識して議論しなくてはいけないと思いました。

 

全体を通して、以前はあまり興味を持っていたテーマとは言い難いですが、今回の合宿の中で理解を多少なりとも深め、自分なりに考える機会を得られたのは幸福なことでした。

様々な意見、疑問、批判を知ることができたのも、今後の大学生活に何らかの形で生かしていけそうな気がします。